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カテゴリ:おススメ図書( 37 )

郵便のススメ ☆

いつも通り、本は色々読んでいるのですが、ブログをさぼっている間に
読んだけど感想を書いていない本が増え続けています023.gif

しかも日々、脳細胞が減っていってるせいか時間が経つと
「あれ?どんな話だっけ?」と内容が思い出せないという事態に・・・
あぁ、よみがえれ! 細胞042.gif

今日は湊かなえさんの『往復書簡』をご紹介します。
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この本は3つの短編が収録されています。
ある事件が起こった、それぞれ10年後、15年後、20年後に交わされる
何通もの手紙のやり取りによって、事件の真相が解き明かされていきます。
これも謎解きミステリーということになるのでしょうか?

往復書簡・・・文字通り相手が返信してくれなければ成り立ちません。
だから読み始めた当初は、ものすごく違和感がありました。
電話でもなく、メールでもない。この時代になぜ手紙なのか。

問いかけに即返答できない、往復する手紙の<時差
「お手紙きたかな?」と心待ちしているドキドキ感。
「どうしたのかな?」というもどかしさ。
それがこの本の魅力です。
言いたいこと、聞きたいこと、相手を思い浮かべながら
文字を連ねる。
書いて、読み返して、時には書き直す。
じっくりと”相手のことを考える。

物語の行間からも、そんな想いが伝わってきます

そういえば文具売り場には大量のレターセットが売られています。
ということは手紙は今も、たくさん書かれているということですね。
私は毎日ポストを見るのが楽しみで、手紙が届いているとうれしいです。

やはり気持ちを伝えるには手紙が一番なのでしょうか?
本を読み終えたら、きっと誰かに手紙を書きたくなりますよ055.gif

以前観た『天国への郵便配達人』という
映画のことも思い出しました。
ビデオレンタルが始まったから、もう一度観てみよう061.gif
<手紙>ってやっぱり良いかもしれない024.gif


 
 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-11-08 22:41 | おススメ図書

不思議・百物語 ☆

秋の夜長にお薦めを一冊016.gif

宮部みゆきさんの『あんじゅう』です。
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宮部さんお得意の時代物で、一言でいうとかわいい物の怪達の4つのおはなしです。

決して恐ろしくはなくて、愛嬌がある・・・
三浦哲郎さんの『ユタとふしぎな仲間たち
(この本もおススメです。劇団四季のミュージカルにもなっていますね
に登場する<座敷わらし>に近いかもしれません。

三島屋の行儀見習いをしているおちかはとても聞き上手。
三島屋主人で叔父の伊兵衛の計らいで、おちかのもとには
不思議な話をするためのお客が訪れるようになります。

なかでも私が気にいったのは「あんじゅう(暗獣)=くろすけ」のおはなしです。
心がポカポカして、そのあと、せつなくなります。


この本のもう一つの特徴は<挿絵>です。
南伸坊さんの絵が300点も収録されています。
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もともとは、読売新聞の朝刊に連載されていた「三島屋変調百物語事続」が
「あんじゅう」として刊行されました。
“事続”からわかる通り『おそろし』の続編ですが、
挿絵のせいか、今回のほうがあたたかい世界を感じます。


まるで大人の絵本のようです。
ページをめくるたび、南伸坊さんの絵に癒されます。
パラパラと絵をみているだけでも楽しめるので、お手元に置いて頂きたい一冊です。

 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-10-05 21:58 | おススメ図書

クロスオーバー ☆

ウダウダ過ごしてしまった8月・・・
反省したいのですが、この先も夏は同じように過ごすのが目に見えています。
だって、暑いんですものっ!
だから、反省せずわが道を行く私です024.gif

海堂尊さんの『ブレイズメス1990』を読みました。c0222486_21203729.jpg
映像化された「チーム・バチスタの栄光」の作者といえば、
ご存じの方も多いでしょう。
海堂さんは今も現役のお医者様としてご活躍されて
います。
医者の仕事の合間にチョチョイと執筆されてる
イメージがありますが、
実際に速筆で、いつどこでも書くことに
取り組めるそうです。
きっと集中力がとてもあるのでしょうね。

海堂さんの作品はその知識を生かした医療問題が、
架空の「桜宮市」を舞台に描かれています。
登場人物が各作品間でリンクしているのもおもしろく、
読者は懐かしい知人に会ったような気持ちになります。

今回の「ブレイズ~」も同様で、「バチスタ~」の16年前という設定で、
他の作品ですでに亡くなってしまった人が元気に登場したりします。
新たに登場の天城先生は、破天荒だけど優秀な腕をもち、
どこか「ブラック・ジャック」を思わせます。

まるでどこかに実在する「桜宮」の人々の暮らしを、
たまに抜き出して眺めているかのようです。
だから時々「元気に暮らしてるかな?」と消息を尋ねたくなります。
「ブレイズ~」も物語が完結しているのではなく、読者は
「天城先生は今も相変わらずの仕事ぶりだろうな」と思うのではないかしら。

映像化された作品は一本も観ていないので、コメントできませんが、
ぜひ原作の小説を読んでみてくださいね。
医療に興味があるので、どの作品もおもしろかったですが、
特にお気に入りは『螺鈿迷宮』ですc0222486_2121941.jpg


 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-08-26 21:30 | おススメ図書

ひるまの星 ☆

猛暑日が続いて最近はかろうじて生きてる感じ・・・
私はどっぷりと恩田陸さんの世界にはまっていました(現実逃避\(~o~)/

『不連続の世界』と『まひるの月を追いかけて』を続けて読みました。
両方とも旅先のお話で、二つの世界がとてもよく似ている気がしました。

「不連続~」は5つの短編からなり、
砂丘や夜行列車というちょっぴり“非日常”感のある場所で、
「まひるの~」は“奈良”の地を巡り物語が展開されます。
恩田陸さんは、私たちの生きる<時>の一つ隣にある<時間軸>の世界を
いつも描いている気がして、だからたまに覗きたくなります。

その世界にまったり同化し受け入れられることもあれば、
時にははね飛ばされることもある・・・それが恩田陸さんの魅力なのかもしれませんね。

『夜のピクニック』や『ネバーランド』はどなたでも受け入れやすい作品なので、
恩田作品はこのあたりから入ったらどうでしょう?

私は、特殊能力を持つ「常野」の人々のシリーズが好きです。
『光の帝国』『蒲公英草紙』『エンド・ゲーム』の3作からなる常野物語。
不思議な世界を彷徨いたい方にお薦めします。



 それにしても・・・ふ~ん、そうなんだ・・・きかなかったことにしよう。

 ・・・means never having to say you’re sorry.

 ふとあたまをよぎったことば・・(ちょっと独り言)




 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-08-19 00:56 | おススメ図書

オアシスの光と影

あ~、早く夏終わらないかな~058.gif
ジリジリした日射しも、ジメジメした大気も両方苦手です。

伊坂幸太郎さんの『砂漠』を読みました。

 ぼくは砂漠についてすでに多くを語った。
  ところで、これ以上砂漠を語るに先立って、
   ある一つのオアシスについて語りたいと思う。 サン=テグジュペリ


仙台の国立大学に入学した主人公“北村”が、
その後行動を共にする仲間たちと出会う居酒屋の場面からお話が始まります。
椿事が語られ「~でも、だいたいこんな感じだ。」と時は過ぎます。
これが<>の章。

><><
と移り変わり、次の<>の章では
卒業の時期を迎えています。(楽しい<時>は、あっというま)

砂漠という社会に出る前の、大学の4年間が凝縮されて書かれていて
とてもおもしろい本でした。
仲間達も個性的で生き生き描かれています。

思えばそれぞれが『個』を主張して生きられるのは学生時代までかもしれませんね。
新聞に就活(最近の ~活 という言葉いやだな~)の記事が載っていました。
「社会には社会の決まり事があり、奇をてらうと反感を買う恐れがある。
正攻法がいちばん」というアドバイスでした。

『砂漠』の学生達の4年間は、このアドバイスとは真逆です。
だけど彼らはそれをきちんとわかっていて、素晴らしい仲間たちとともに
どこまでも前向きです。

伊坂さんは東北大学に通われていたので、所々、実話も含まれているのではと
思ったのですが、実際はどうなのでしょうね?

あらすじを書くとそれがそのままエピソードになってしまうので
内容には触れないでおきますが、ぜひ読んでみてくださいね。
「さすが!伊坂幸太郎!」きっとそう思うことでしょう024.gif

 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-08-12 23:07 | おススメ図書

天使のレリーフ ☆

宮部みゆきさんが書き下ろした『小暮写眞館』を読みました。
このところ時代物作品ばかりだった宮部さんの、なんと3年ぶりの現代エンターテインメントです。

宮部さん自身が時代物を書くのがお好きとおっしゃっていましたが、
私は「今」を描いた作品を待っていましたよ

題名だけみると写真館のお話のようですが、実は小暮さんではなく花菱家のお話・・・
「古家あり」の土地を買った花菱家。そこに建っていたのが築33年の
小暮写眞館でした。本来はコインパーキングにでもするのがベストな土地だったのですが、
花菱家が元写真館にそのまま住むことにしたところから物語は始まります。

写真館の看板もウィンドウも当時のままに住み始めたので、
写真館を再開したと勘違いした人々から様々な写真や調査依頼(?)が舞い込みます。
主人公は花菱家長男・高校生の英一くん。
親友のテンコやコゲパンなど、魅力あふれるわき役たちも生き生きしています。
宮部さんはこのくらいの年代を描くのが、本当にお上手です。

今を生きる“彼ら”は明るい光の中にいるはずなのに、
時々、セピア色の写真の中のように感じるのはなぜでしょう?
きっと外から見ているだけではわからない、物事の本質があるからですね・・・

写真館に残る元の主人<小暮老人>の想いと
花菱家の人々が決して忘れることのない想いがリンクしてせつない場面もあります。
ホロリとしたり、笑顔だったり、時には嵐だったりする日常に、
少しだけ風変わりなエッセンスを振りかけたお話だと思います。

余談ですが、不動産屋の事務員(だけど重要な役どころ)の
「ミス垣本」さんですが、私の頭のなかでは『仲 里依紗』さんがずっと演じてました

700ページを超える読み応えのある本ですが、ぜひごらんください
4話からなるので、1話ずつ読むと良いでしょう。カバーの装丁もとても素敵です。
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 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-07-20 23:59 | おススメ図書

一周した景色・・・

湊かなえさんの『夜行観覧車』を読みました。

最近、湊さんの本をよく読んでます・・・私・・たぶんファンではないのですが、
この人が何を書くのか気になって気になって仕方がないのです。
これってやっぱり<好き>ってこと?

事件は高級住宅地に住む医師のエリート一家で起きます。
被害者は父親、加害者は母親・・・遺された3人の子供たち。
これに向かいの家の家族とそのお隣の住人の視点を交え、
動機と真相が明らかになっていきます。

もしかしたら誰もがある日突然、事件の当事者になってしまうかもしれない・・
そんな風に感じるちょっと怖い本です。
どこの家庭でも外からは分からない問題が少しずつでもあると思います。
それは例えば、ワインのコルク栓を抜くとき、コルクの欠けらが中に入ってしまう感じでしょうか。

ボトルの中のコルク片が入らないよう、そっとワインをグラスに注ぐ・・
いつもそうしていたのに・・・
ある日、ボトルを眺めたらコルク片にどうしようもなくイラついてしまい、
ボトルをたたき割ってしまう・・ふと我にかえり・・あぁ年代物のワインだったのに・・


この本の事件もきっとそんなふうに起こってしまった気がします。
湊さんの今までの作品と違い、登場するのは本当に普通の人、普通の家族だから。
今回は独白の文体でもありません。
登場人物が見方を変えていたら、あるいは言葉の解釈の相違に気づいたなら、
まったく違う結末になったのだろうと思います。

湊作品では『夜行観覧車』が一番のお気に入りとなりました。
装丁が素敵で、紐のしおりがピンクと黄色の2本ついているのも役立ちました024.gif
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 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-06-21 23:10 | おススメ図書

アンソロジー ☆

蝦蟇倉市事件』という本を読みました。
1・2巻からなる1970年代生まれの11人の作家による競作です。

海と山に囲まれた風光明媚な街---蝦蟇倉市(がまくらし)。
先生方が作り上げた架空の街で、不可能犯罪が次々と起こります。
本を開くと蝦蟇倉市の地図が載っていて、
それは私たちがよく知っている“あの街”と似ているような・・・

読んだきっかけは最近お薦めの、道尾秀介さんが参加されていたからです。
そしてそのアンサーストーリーを書かれているのが、井坂幸太郎さん。
1巻のほかの作家は、大山誠一郎さん・伯方雪日さん・福田栄一さん
2巻を、秋月涼介さん・北山猛邦さん・越谷オサムさん・桜坂洋さん・村崎友さん・
米澤穂信さんが書いています。

面白いのは登場人物や建物が、ほかの作品の中にも登場してくるところです。
場所を地図で確認しながら読んでみたり、いろいろ楽しめました。
作風もそれぞれなので、作品の好き嫌いもはっきりわかります。

この本に限らず、複数の作家の作品が一つのテーマのもとに
一冊の本になって出版されていますね。
もし好きな作家が入っていたら読んでみると良いですよ。
普段、手に取らない作家や知らない作家の作品に触れることができますから。
読書の幅がグーンと広がります
乃南アサさんや小池真理子さんを初めて読んだのも、こういった本の中だったと思います。

それから、利用すべきはやはり図書館です!
新たな作家に出会うのには絶好の場所です。(お見合いみたい003.gif
ふと手にした本が “目からうろこ” “海馬に衝撃を受ける” ほど影響力があることも。
(私の実体験です024.gif

本はつまらないとかあまり好きじゃないという人がいますが、
手あたり次第、まず読んでみることをお薦めします。
あなたはまだ “出会っていないだけ” かもしれません・・・

 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-06-14 22:42 | おススメ図書

松谷みよ子さんの作品に『ふたりのイーダ』があります。
松谷さんといえば、『ちいさいモモちゃん』シリーズや、『龍の子太郎』など
誰もが一度は読まれたことがあるのではないでしょうか?
現在アニメ放送されている『怪談レストラン』も松谷作品ですね。

日本の児童文学の第一人者といえる先生です。
以前、お目にかかる機会があったのに、結局、夢がかなわず
今も悔やんでいます。(先生は84歳の今もお元気に活躍されています016.gif
お会いして直接お礼を伝えたかった・・
みなさん、やはり<一期一会>を
肝に銘じてくださいね。

『ふたりのイーダ』は子供の頃に父が買ってくれた本です。
今でも私が衝撃を受けた本のうちの一つだと思います。
“イーダ”という不思議な名前はアンデルセンの『イーダちゃんの花』から付けられました。
かわいい名前と装丁からは想像できない、戦争児童文学作品です。

「イナイ・・・イナイ・・・ドコニモ・・・イナイ・・」
そう呟きながら誰かを探しまわる木の椅子が登場します。
カタカタ音をさせながら・・動きます。
物に<魂>が宿る―――不思議なことですが“あるかも・・”と思えてくるのは、
松谷先生の作品自体に<命>が紡がれているからではないでしょうか?
児童文学で括ってしまうにはあまりにももったいない素晴らしい本です。

子供にはもちろん、昔、子供だった大人の方々もぜひ読んでみてください。

なぜ今この本を思い出したかというと・・
私は今まさに<木の椅子>状態だからです!
イスの気持ちがよ~くわかります・・(^v^) 

「イナイ・・・イナイ・・・」カタカタ、カタカタ・・・

大丈夫なの?
間に合うのっ?
--- 待つのは・・やっぱりキライかも。
早くおいで。みんな待ってるよ035.gif

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 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-05-30 20:57 | おススメ図書

掛け違えた・・ボタン

土曜日の晴天が嘘のように、昨日、今日と雨模様057.gif

私は銀座に行く予定を変更して、読書に励んだ二日間でした。

読んだのは道尾秀介さんの『龍神の雨』です。

ブログに書こうと思うぐらいなので、<おもしろい>のは言うまでもありませんね
以前から私の一押し作家は東野圭吾さんなのですが、もしも彼を追い越す若手がいるなら
道尾さんかもしれないと思いました。

『人の心情』を<雨>や<龍神>で上手く表現しています。
---想像は人を喰らう---

色々な本を読むと、読後に「でも、やっぱりこれは、ないな」と思うことがありますが、
この『龍神の雨』は登場人物と同じように、読者はみごとに嵌められます。
道尾さんが「ほら、君もそうだったじゃない」と“してやったり”と笑っている気がします。

---雨の中、傘をさすか、濡れて歩くか、やむのをじっと待つか、
何が正しいのか誰にも判断できない
---
本文そのままではありませんが、ここから続く件りはとても好きな箇所です。
すべてを書いてしまいたい衝動に駆られつつ・・・028.gif

おススメ図書に入れておきます024.gif
第12回大藪春彦賞受賞作品でした(^◇^)

 プリザーブドフラワー教室・パフュームデラローズ
by takai15kepu | 2010-05-24 22:08 | おススメ図書